ご挨拶

会長挨拶

一般社団法人日・タイ経済協力協会 会長 早 川 茂

平素より、会員はじめ関係の皆様方におかれましては、格別のご指導・ご支援を賜り、誠にありがとうございます。
当協会は、タイの経済・産業発展のため、技術移転と産業・人材育成事業を通じ日本とタイ両国の友好推進を図ることを目的として、1972年に「社団法人日・タイ経済協力協会」として発足いたしました。
当協会のタイ側カウンターパートである「泰日経済技術振興協会(TPA)」は、1973年に元日本留学生・研修生によりバンコクに設立され、各種研修・サービス事業、語学・出版事業等の実施を通じてタイ国の産業・人材の育成に多大な貢献をしてまいりました。
当協会は公益法人制度改革に伴う2014年4月1日の一般社団法人移行後も、このTPAへの支援・協力を継続し、タイ国及びその近隣諸国の産業・人材の育成と、これら各国との友好関係維持・発展に寄与してまいりました。
また、TPAが入念な事前調査と準備のもと、「タイにおける日本型ものづくり実践教育」を旗印として、2007年に設立した泰日工業大学(TNI)への支援・協力にも開学前の準備段階から一貫して注力し、日本からのタイ国の将来を担う若い優秀な人材育成支援に努めております。
このTNIが実施している実学重視の日本型ものづくり実践教育は、日本の伝統的なものづくりの思想・技術や、時代に呼応した各種最新技術・技能の取得が、日本ならではの生産管理技術や日本の企業文化に係る充実したカリキュラムのもと行われております。また、産学連携協力やタイ国内外でのインターンシップ、必修の日本語・英語教育を通じ、個々の学生のグローバルに通用するコミュニケーション能力の向上も図り、在タイ日系製造業・サービス業の人材ニーズに応えております。
アジア経済共同体発足とともに、TPAとTNIは共にタイ近隣諸国との産業発展に向けた人材育成に係る交流や協力・支援にも組織を挙げて着手しており、当協会を交えた3機関同意のもと、一丸となってタイ近隣諸国の人材育成にも引き続き取り組んでまいります。
今後も会員はじめ関係の皆様方におかれましては、今まで以上のご指導ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

人間のきづなが根本

初代理事長 穂積 五一

一般社団法人日・タイ経済協力協会 初代理事長 穂積五一

当協会初代理事長(1972年~1981年)
(財)アジア学生文化協会並びに(財)海外技術者研修協会の初代理事長を歴任。
当協会、並びに泰日経済技術振興協会の設立に尽力。

日・タイ経済協力協会は、タイにおける反日機運を憂慮された日本政府の発意の下に、「本当にタイのためになる仕事を」との目的を以て、『タイ国アジア文化同窓会』を母体に設立される泰日経済技術振興協会に協力するために、1972年7月に発足したものであります。
この設立目的を実現するために、泰日経済技術振興協会の設立に先立ち、設立責任者ソムマーイ・フントラクーン氏と日本側の日・タイ経済協力協会の佐藤会長はじめ関係者とが懇談し、次のような合意を見ました。

  1. タイ国のためという設立目的を遂げるには何よりも泰日経済技術振興協会の自主性を尊重する必要性があることが話し合われ、その遵守について双方合意に達した。
  2. 日本側はタイ国に泰日経済技術振興協会のための会館を建設する。
  3. 日本側は、将来タイ国に技術学校を建設する。
  4. 同協会と日本側との連絡は、日・タイ経済協力協会が行う。
  5. 同協会の自主的運営のために必要な日本よりの補助金にかわる協会独自の財政的基礎を築くことに日本側は努力する。

このような経緯を踏まえて設立された協会でありますので、この仕事に携わる日本人は「その自主性を尊ぶと言いながらそれを損なうようなことはないか」「タイのためと言いながらタイの繁栄より日本の利益をはかるようなことはないか」などの謙虚な反省を、忘れることは許されません。
この仕事は、タイと日本の深い人間のきづなの上に成り立っているもので、当初の約束に則り、タイの自立と繁栄をめざして進められてこそ、生命があり、発展性があるものと言えましょう。

© 一般社団法人 日・タイ経済協力協会